常に注目を浴びるキャロウェイから2021年「新エピック」が発売されました。(発売は2月19日)
ドライバーのトレンドはこの数年「ルール規定ギリギリを狙った高反発」「低スピン」「芯の広さ」です。
そしてこの「低スピン」で「高反発」の機能をフルに発揮して飛距離の最大化を実現することに各社は異なる手法でアプローチをしています。
この数年は「ヘッドスピードが上がるヘッド」を作ることに注力しています。
「スピードアップ」をコンセプトにマーベリックで培ったノウハウをさらに改良して登場した「新エピック」は市販向けに3タイプが用意されています。
- エピック MAX
- エピック MAX LS
- エピック スピードです。
Contents
ドライバーの選び方。2021年「キャロウェイ」新エピックの特徴と評価。
新しいエピックは、~「柱」から「フレーム」へ~です。
2017年の「CBBエピック」に初めて搭載されたクラウンとソールを2本の柱でつなぐキャロウエイの「ジェイルブレイクテクノロジー」。
進化を続けながら毎年ニューモデルに搭載されてきましたが、5代目となる最新2021モデルに搭載されたのは2本の柱ではなく四角い「フレーム」でした。
これでボデイの垂直方向だけでなく、水平方向の剛性もさらに高め、クラウンのたわみ量を約20%減少しました。
スピード、マックス、マックスLS3タイプの性格を明確に区分するためにカーボンクラウンの面積を増やして(チタン部分を減らす)、います。
さらにソールのトウ側も部分的にチタンからカーボンに置き換えたことで余剰重量を獲得し、それを3機種それぞれに効率的に再配分しています。
フェースのたわみも効果が発揮しきれていなかった弱点を解消するため、人工知能にジェイルブレイクの解析・設計を行わせた結果・・
2本の柱の内側上下をさらにつないだ形の「ジェイルブレイクAIスピードフレーム」となって生まれ変わりました。
これによりインパクトでのフェースのたわみは本来の反発力を発揮してより高いボール初速を生み出すことに成功しました。
さらに3機種それぞれの性格、ターゲットゴルファーのニーズに応えるためフェースも新たに設計し、「フラッシュフェースSS21」を採用しています。
ドライバーの選び方。「キャロウェイ」のエピック MAXの特徴。
キャロウェイ史上最大級の慣性モーメントを持つ、最もやさしくオートマチックに真っすぐ飛ばせるのが、この「エピックmax」です。
ヘッドは後方にやや伸びた大き目のフォルムで構えた時の安心感を得られます。
ソール後方にペリメータ―・ウエイトが装着され、弾道のチューニングも可能になっています。
ネックの可変機能もあり、広範囲で好みの弾道が作れることもエピックmaxの特徴になっています。
ようやくコースに出られるようになった初心者から、ある程度打てるけれど、スライスがなかなか収まらないといった中級者まで、
そして無理して振らなくても真っすぐ飛ばしたいというシニア層まで幅広いゴルファーがゴルフを楽しめるドライバーになっています。
ドライバーの選び方。「キャロウェイ」のエピック MAX LSの特徴
エピックマックスのヘッドシェイプを踏襲しつつ、ややヘッド後方の丸みを少なくしたのが「エピックMAX LS」です。
LSとは「ロースピン」の略でその名の通り、無理に高い球でキャリーを出そうとしなくてもオートマチックにロースピンのビッグキャリーが打てるドライバーです。
球筋はマックスとは異なり、フェード系のボールが出る設計になっています。
とはいえ、スライスは出にくく、フェアウェイを捉えるフェードが打ちやすい、プロ・上級者好みのチューニングが施されています。
ドライバーの選び方。「キャロウェイ」のエピック スピード。
エピックスピードの「スピード」とはボールスピードとヘッドスピードの2つのスピードです。
クラブヘッドがヘッドスピードを上げ、そのスピードを最大限ボールに伝える設計のドライバーです。
テーラーメイドからキャロウェイに切り替えた、ジョン・ラームがこの「エピックスピード」のプロトタイプを使用する予定です。
クラブの性格も浅重心、ニュートラルでヘッドターンがしやすく使い手の操作性を発揮できる立ち位置になっています。
ダウンスイング中の空気抵抗を減らす、サイクロンヘッドシェイプを「マーベリック」から踏襲し、ヘッド形状も上級者好みでやや小ぶりです。
普段から球をつかまえにいくスイングが好みで、時たま右にすっぽ抜ける球が出ていたゴルファーが中弾道でまっすぐ飛ばせるクラブに仕上がっています。
かといって他社のアスリート系クラブのような難しさはないので、体力に自信があり、クラブをしっかり振れる初心者ならば出玉が揃う効果を期待できるのではないでしょうか。
ドライバーの選び方。2021年「キャロウェイ」新エピックの評価。
新エピックマックスのすぐにわかる特徴は、チタン部分が減り、カーボン使用率が増えたにもかかわらず、打球音が高く澄んだ音になっていることです。
いままでキャロウェイのクラブを敬遠していた理由の大半が「音」にあります。
音と飛距離が一致しない気持ち悪さからキャロウェイを敬遠していたゴルファーにこそ、まずはマックスを試してほしいと思います。
フェースに吸い付く打感を感じながらもボール初速が早く澄んだ高音で飛んでいく、それが簡単に体感できるのが「マックス」になります。
スライスに悩むゴルファーなら「マックス」、ある程度打てて、しっかり振れるゴルファーなら「マックスLS」を試してみると良いかもしれません。
一方で、PGAツアーでの使用を念頭に置いた「スピード」では打球音が抑えられています。
スピードに採用された、空気抵抗を減らしてヘッドスピードをあげる効果をもつという、ソール側後方が大きく切り上がった「サイクロンヘッドシェイプ」
その効果を実感するにはやはりクラブスピードが45m/s以上は必要だと思います。
自分の好みの球筋が明確になっている、大きいヘッドが苦手なゴルファーなら迷わず「スピード」を試してみるのがお薦めです。
ドライバーの選び方。飛ばすために生まれた2019年キャロウェイ エピックフラッシュの評価
飛距離アップのための「飛ばしの3要素」とは、ボール初速、バックスピン量、そして打ち出し角です。
3要素のうち1つが優れているだけでなく3要素がバランスよくかみ合って、飛距離アップが望めるのです。
キャロウエイは飛びを追求したヘッドの開発に取り組み、エピックフラッシュを生み出しました。
ボール初速は長い間、ヘッドスピードに関係すると思われていました。
クラブメーカー各社それぞれにヘッド自体の解析を進めてきた結果、インパクトの瞬間に衝撃でヘッドが上下に膨らむことに注目しました。
そして、この散逸するエネルギーをボール推進力に換える工夫に取り組みます。
その結果、ソールにスリット、あるいは波型の溝を入れることでインパクトの衝撃でヘッド自体が上下ではなく、、、
前後に一瞬へこみ、押し戻す力をボールに伝えることでボール初速を上げるという手法を考え出しました。
なかにはクラウン部分にフィンをつけて、スイングの際のヘッドの空気抵抗を減らす工夫をしているメーカーもあります。
ドライバーの選び方。キャロウェイの飛びへの追求
しかしキャロウェイの選択は違いました。キャロウェイゴルフはいち早くヘッドのクラウンに比重が軽いカーボンを用いました。
技術的に困難とされていた、カーボンとチタンを溶接してヘッドを作り、余った重量をソール後方に持ってくることで、、、
低重心・深重心のドライバーを世に出したゴルフクラブメーカーです。
そして2015年に発売されて、キャロウェイ久々のヒット作となったキャロウェイビッグバーサ・アルファドライバーにボール初速を上げるヒントがありました。
このドライバーに搭載された「グラビティ・コアテクノロジー」とはソールに細い筒を設け、上下で重さが異なる丸いバーを上下逆に挿入することで重心位置を上下に変更できる機能です。
この機能は強度を保つために、ソールとクラウンを筒が結ぶ形になっています。
この機能によって、ビッグバーサ・アルファの、インパクトの際のヘッドの上下のふくらみが少ないことに気が付きました。
そこで、この筒を棒にして、クラウンとソールを結んでインパクトのエネルギーを推進力に変換するべく開発に取り組みました。
その結果、ヘッド上下を結ぶバーを鉄格子に見立てたジェイル(刑務所)ブレイク(刑務所破り)、常識を破るの意味を込めてこう名付けられました。
この「ジェイルブレイクテクノロジー」によって、ヘッドの上下の膨張を制御して、ボールに強い反発力を与えて推進エネルギーに変換することで、ボール初速を上げることに成功しました。
これにはまず、早くからカーボンクラウンを取り入れ、カーボンの加工技術が確立されていたことが上げられます。
もうひとつは、1998年にキャロウェイに入社、2009年から調査、開発部門の担当になった上級副社長アラン・ホックネル氏が衝突解析のプロであることも大きく貢献していると思います。
ジェイル・ブレイクを搭載した最初のドライバーは2017年に「キャロウェイ・GBBエピック」として発売されました。
このエピックはプロ・上級者が好む丸顔のヘッド形状をしています。
しかし、硬い打感と低い打ち出し角を持ち、ある程度のヘッドスピ―ドがないとボールが上がりづらい、、、
スピン量が少なくドロップしてしまうなど、使い手を選ぶドライバーになってしまいました。
そこで翌年、エピックとは別のラインとして、本来のキャロウェイのドライバーらしい、つかまりの良さとボールの上がりやすさを盛り込んだ、、、
ややヘッド後部が大きい「ローグ」を発売します。
一方で、エピック2代目としてさらにボール初速を上げるべく、人間の感性にAI(スーパーコンピューター)による解析を加えてフェースの設計に取り組みます。
AIに課したテーマは3つ、すなわち「反発係数のルール厳守」「フェースの耐久性の確保」そして「ボール初速を上げる」です。
そして15,000回にも及ぶ解析の結果作られたフェースは従来の「打点部分が肉薄にすると飛ぶ」という常識、先入観を覆してフェース中心部が肉厚で波打つ形状の裏側を持つフェースを生み出しました。
キャロウェイではこれを「フラッシュフェース」と名付けて生まれたのが「キャロウェイ・エピックフラッシュドライバー」です。
ドライバーの選び方。キャロウェイエピックフラッシュ サブゼロの評価
エピック フラッシュ スター とは同じヘッド体積ながら、ヘッド後方がやや小さめになります。
ただ、エピック フラッシュ スターとは異なり弾道調整機能も付いています。
これにより、自分好みの弾道を作ることがより簡単になっていますので、球筋をある程度操りたいゴルファーにはうれしい機能です。
ペリメータ―ウェイトに加えてソール前方にもウェイトを埋め込んでいることからも、エピックフラッシュ スターに比べると重心位置が少し浅くなっているのか、
スターよりもロースピン弾道のボールが打ちやすくなっています。
ドライバーの選び方。キャロウェイエピックフラッシュ スターの評価
ヘッド体積はどちらも460CC、エピック フラッシュ スター はシャフト固定式のモデルになります。
エピック フラッシュ スター ドライバーは前作のエピックスターに比べてヘッド後方が少し大きくなって構えやすくなっています。
前作同様ソール後方に「ペリメータ―ウェイト」という12グラムのフリーウェイトが設けられております。
ソール後方のレール上をトウからヒール側へ移動させることで重心距離の移動が可能になり、つかまり具合を調整できます。
ドライバーの選び方。HS-40前後ならどちらのエピックフラッシュ?
今回のエピックフラッシュの最大の特徴である、フラッシュフェースですが、感覚的には手ごたえが硬く、弾き感が増している印象です。
ボール初速アップ、低スピンによる飛距離アップにも貢献しているフラッシュフェースですが、、、
平均的なヘッドスピードの持ち主ならば、より低重心のフラッシュ スターをお薦めします。
低スピン弾道というのは、言い換えれば芯を外してバックスピン量が増えすぎても、減りすぎても飛距離ロスにつながります。
そこで、重心角が大きめで、ヘッド体積460CCにしてはヘッドが返りやすくつかまりもそこそこ良いエピック フラッシュ スターをお勧めします。
そして、適度にねじれがあってタイミングが取りやすい純正シャフト「Fujikura Speeder EVOLUTION for CW」
との組み合わせで使用すれば、気持ちよい飛びを体感できると思います。
ドライバーの選び方。2021年「キャロウェイ」エピックの特徴と評価のまとめ
初代エピックで取り入れたAI(人工知能)による解析を、さらに進めて設計にも導入した新エピック。
「フェースの規定内の高反発化」に始まり、「低スピン弾道」「ボール初速のアップ」もゴルファーの工夫と努力からヘッドに求めるようになりました。
いわばオートマチックに飛びを手に入れることができるようになったのです。
ただ、最終的にはスイングとシャフトとの相性など、検討する余地はありますが、最先端の飛びの要素を味わってみるのも楽しいかもしれません。
是非、試打してみることをお勧めします。
2019年にボール初速を上げるためにはヘッドスピードを上げることだと考え、日夜努力してきたキャロウェイゴルフです。
革新的なノウハウをもって、振ればボール初速が上がってしまう時代をもたらしたドライバーが「キャロウェイ エピック フラッシュ」です。
ヘッド内部の上下をバーでつないでインパクトの衝突エネルギーを推進力に変換し、さらに上限ギリギリの高反発フェースを組み込みました。
だれもが振るだけで飛距離アップを楽しめる可能性を広げたことは注目に値します。
2017年初代GBBエピック発売と軌を一にして増加している女子プロゴルファーの「クラブ契約フリー化」の流れを作ったともいわれているキャロウェイゴルフです。
その革新を手に取って実感して下さい。