黄金世代の女子ゴルファー「大里桃子」は2018年のプロテスト合格から23日の最短でプロ初優勝を飾りました。
父と一緒に掴んだ優勝は、2018年8月17日から19日に神奈川県の大箱根CCで行われた「CAT Ladies 」でした。
初日はやはり緊張したのでしょうか3アンダー11位タイでした。しかし2日目、最終日はトップで見事初優勝です。
恵まれた体で(170cm)で大きなゴルフをする大里桃子の父(充さん)は陸上のアスリートで元中学体育教師でゴルファーです。
ゴルフはハンデは0のシングルプレーヤーなのです。
それでは、大里桃子のプロ初優勝とプロテスト合格を紹介します。
大里桃子の優勝歴。父と掴んだプロテスト合格から初優勝そして涙の2勝目。
出典:https://news.golfdigest.co.jp/photo/detail/?search=%E5%A4%A7%E9%87%8C%E6%A1%83%E5%AD%90&imageId=195364
父(充さん)は陸上選手で末続慎吾に塗り替えられる前の100メートルの熊本県記録を持っていました。
有望なランナーだったのですね。母親の美弥さんも女子マラソンの松野明美の同級生で、走り高跳びとハードルの選手でした。
両親ともに、学生時代は陸上部に所属していたのですね。両親のDNAからして、アスリートの資質は十分な大里桃子です。
大里桃子の優勝歴。
- 2勝目:2021年:ほけんの窓口レディース
- 初優勝:2018年:CAT Ladies
【2021年】ほけんの窓口レディースで涙の2勝目。
開催日:5月14日~5月16日
開催場所:福岡カンツリー倶楽部 和白コース(福岡県) / 6,335Yards Par72(36,36)
優勝賞金:2,160万円
3度目の正直の復活優勝でした。プレーオフ3ホール目、果敢に5Wで2オンを狙らい見事にオンしました。
5メートルのイーグル奪取はなりませんでしたが、2パットで楽々とバーディーとし、ささきしょうこを振り切りました。
スコアー | 1R | 2R |
---|---|---|
135(-9) | 67 | 68 |
4月の「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」では8位タイ。翌週の「KKT杯バンテリンレディスオープン」では48位タイ。
そして、5月に入り「パナソニックオープンレディース」と「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」では単独2位、2位タイの成績でした。
そうです、3度目の正直で復活優勝の文字が見えてきたのです。
大里選手の不調の入り口はパッティングでした。有名な話ですので引用させて頂きます。
2018年初出場のツアー最終戦の「LPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ」でした。
アプローチで30センチに寄せたパットを外したのです。本人も「あれ?」となりここがはじまりだったようです。
それから2年の時間が過ぎパターもパッティングスタイルも試行錯誤し大里本人は、「パターの長さも変えて気持ちもリセットできました」と述べています。
プロの2勝目は真の実力といいます。少し長いスランプを経験し熊本の美女が大活躍するシーンをこれからも魅せてくれることでしょう。
【2018年】CAT Ladiesで初優勝。
20歳になったばかりの「NEC軽井沢72」最終日に自身初のホールインワンを達成し、翌週のCATレディースでプロ初優勝をしましたが涙はこらえていました。
開催日:8月17日~8月19日
開催場所:大箱根カントリークラブ(神奈川県) / 6,704Yards Par73(36,37)
賞金総額:¥60,000,000優勝賞金:¥10,800,000
スコアー | 1R | 2R | FR |
209(-10) | 70 | 66 | 73 |
大里桃子のジュニア時代。
父・充さんは熊本県内のゴルフ場で7度もクラブチャンピオンになっている選手でもあります。
そんな父親のもと、大里桃子は幼少期から活発な子でした。身体能力も高い子で、小学校時代は水泳とバスケットに打ち込んでいました。
運動だけでなく、ピアノも4歳から始め「グレンツェンピアノコンクール」で九州地区優勝を果たしています。
運動以外でも才能があったのですね。
中学校時代は陸上部に入部しましたが、父親のような成績は残せなかったそうです。
それでもゴルフは小学校3年生から初めていたので、陸上よりはどちらかと言うとゴルフに夢中になっていたようです。
大里桃子はハンデ0の父が後押し。
父親の充さんもそんな桃子さんをみながら「プロを目指すのも面白い」と考えていたそうです。
ちなみに、大里桃子プロには兄がいます。兄の名前は「将司」と父が付けたが、兄はまったくゴルフをしないそうです。
それから「桃子」の名前は、ゴルファーに嫁がせたいという父の思いから、タレントの菊池桃子さんにあやかったらしいです。
菊池桃子さんは80年代のアイドルで女優に転向したときにプロゴルファー西川哲さんと結婚しましたからね。(今は離婚をしていますが・・・)
さて、それでは本格的にゴルフに夢中になったのはいつ頃なのか、プロゴルファーに進む前のジュニア時代に父親と親子鷹で突き進んだゴルフの軌跡を見てみましょう。
女子プロゴルファーの中には「父の練習場についていってゴルフを始めました。」とそのような話をよく聞きます。
あの宮里藍さんも父親がゴルフに夢中になっていた影響で幼い時からクラブを握ってはスイングしていましたね。
藍ちゃんが父と一緒にクラブを振っている映像を見たことがあると思います。
では大里桃子はどうだったのでしょうか?
大里桃子の小学生時代
父・充さんは社会人となってからは陸上競技を離れゴルフを始めました。
持ち前の運動神経の良さを生かし競技ゴルフにも出場する腕前になっていました。
そんな父の練習に桃子の兄は全く興味を示しませんでした。
そのかわり、妹の桃子は「私行きたい」っと言って小学3年生から始めたそうです。
ただ小学生時代はゴルフに夢中ではなく、中学2年生になってから状況は変わったようです。
大里桃子の中学生時代。
それまで週に1回しか練習場に行っていなかったのが、中学2年の時に出場した「日本ジュニア」で3位になったのです。
それも最終組で松原由美さんと競っての3位でした。
当時の松原由美さんは女子ジュニアゴルフ界での年少記録を次々と塗り替えて、無敵と言える存在だったのです。
その松原由美さんと週一しか練習をしていない大里桃子が肉薄できたのが本格的にゴルフを行うきっかけになったのかもしれません。
大里桃子の高校生時代。
中学校を卒業後、大里は熊本国府高校に進学します。
ゴルフ部は2009年に創部された新興高でしたが、5年後の2014年には全国高等学校ゴルフ選手権で優勝を果たしています。
この時のメンバーは、大里桃子、田中瑞希、双子の菊池玲花・花音という98年生まれの1年生だけでした。
それで全国制覇を成し遂げたのです。そしてその2年後には、大里桃子はキャプテンとして2度目の全国制覇を果たしました。
高校3年生での優勝は熊本地震で一時避難生活を余儀なくされました。練習も満足にできません。
苦境を主将として乗り越えての全国制覇でした。しかし、それでも舞台の華やかさではライバルには及びません。
日本ゴルフ協会のナショナルチーム入りも果たせなかったのです。
エリートではなく「雑草魂」の高校生でした。
出典:JGA
大里桃子高校時代の3年間。
大里桃子は熊本が好きでした。環境も良く、同級生も強い子がいたし、熊本にはトッププロが沢山いましたからと言います。
なかでも大里桃子が尊敬していたトッププロは「不動裕理」の存在でした。ツアー50勝、生涯獲得賞金は約13億6000万円です。
この郷里の大先輩との間にもある繋がりがあったのです。それは大里桃子が練習する練習場で不動裕理も練習していたそうです。
関係者の話では不動裕理の練習量は半端なく毎日8時間は練習していたと練習場の関係者はお話していました。
大里桃子もこの練習場にはお世話になっているので今では無償でキャディバックに練習場名を入れています。
大里桃子が衝撃を受ける、それは・・・。
それは、勝みなみの史上最年少優勝です。地元熊本空港CCで行われたツアー、2014年KKT杯バンテリンでした。
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関連記事⇒勝みなみの優勝。父と母と歩んだアマチュア最年少優勝とプロ初優勝。
15歳293日の鹿児島県の勝みなみが史上最年少優勝を果たした大会でした。
この時の大里桃子は、熊本国府高1年で大会のボランティアとして速報係をしていました。
大里桃子はプロの試合には出たことはありませんでした。華やかであり別世界でした。
そんな世界でプレーする同学年のライバルがうらやましくもあり、悔しくもあったのです。
沖縄県には新垣比菜がいました。
新垣比菜は高2の15年、下部ツアーのラシンク・ニンジニアRKB女子でアマチュア優勝を果たしていました。
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関連記事⇒新垣比菜の成績。アマ時代の成績からプロテスト合格そして初優勝まで。
レギュラーツアーでも3戦連続トップ10に入るなど大活躍をしていました。
1998年4月~99年3月生まれの選手が「黄金世代」と呼ばれ、注目されるようになっていったのがこのころでした。
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関連記事⇒黄金世代女子ゴルフメンバー。黄金世代の活躍と年度別優勝者一覧。
大里桃子1回目のプロテストは不合格。
2017年、プロテスト一回目は失敗でした。黄金世代では、勝みなみ、新垣比菜、小祝さくらが合格するなかで大里桃子は不合格でした。
大里桃子が父の前で涙を見せたのは1回目のテストで失敗した時だけでした。
テスト最終日は母の誕生日でした。母親に合格の報を贈り物にしようとしていたが、最後にパットを外して……万事休す。
コース内では耐えたものの、車に戻ると、号泣したそうです。父の充さんも、「さすがにこのときは泣くのを許した」と言ってました。
親思いの子の気持ちを抑えつけるわけにはいかないですね。
プロテストに失敗した大里桃子の父・充さんは、「プロになってみんなと競争できるように頑張ればいいんだ」と娘にそう言い聞かせてきたそうです。
そして、「ゴルフ場で泣くな、涙を見せるな」という勝負師としての心構えを父は娘に言い聞かせたのでした。
大里桃子2回目のプロテストで合格。
2018年、2度目の挑戦です。7月のプロテストは合格しました。
270ストローク18アンダー3位の成績でした。
開催場所:チェリーヒルズゴルフクラブ(兵庫県)
スコアー | 1R | 2R | 3R | FR |
---|---|---|---|---|
270(-18) | 68 | 64 | 70 | 68 |
大里桃子の同期プロテスト合格者一覧。
順位 | スコアー | 名前 |
---|---|---|
1位 | -20 | エイミー・コガ |
2位 | -19 | ケーシー・コモト |
3位 | -18 | 大里 桃子 |
4位 | -17 | 廣田 真優 |
5位タイ | -15 | 臼井 麗香 |
5位タイ | -15 | 木下 彩 |
7位 | -14 | 三ヶ島 かな |
8位 | -13 | 脇元 華 |
9位 | -12 | 河本 結 |
10位タイ | -11 | 菅沼 菜々 |
10位タイ | -11 | スタイヤーノ 梨々菜 |
10位タイ | -11 | 原 英莉花 |
10位タイ | -11 | 吉本 ここね |
14位タイ | -10 | シェー ユーリン |
14位タイ | -10 | 渋野 日向子 |
14位タイ | -10 | ジャン ジェナリン |
14位タイ | -10 | 鶴岡 果恋 |
14位タイ | -10 | 林 菜乃子 |
19位 | -9 | 高橋 彩華 |
20位 | -8 | イ ジヨン |
20位 | -8 | 稲見 萌寧 |
大里桃子の初優勝。父と掴んだプロテスト合格と優勝のまとめ。
プロテストから23日後の2018年8月19日、女子プロゴルフツアーのCATレディスで初優勝しました。その感覚を大里は、、、
レベルは違うんですけど、ジュニアの頃に熊本や九州の試合で優勝争いをしていた時に感じていた“優勝争いって楽しい”っていうあの感じです。
そのことを、ちょっと思い出してラウンドをしていました。
と語っていました。何か大物を感じさせるコメントですね。
プロテスト合格年での優勝は史上初ですし、プロ入会から23日での優勝は史上最短記録と初ずくめの大里桃子プロです。
2018年9月は日本女子オープン(千葉県千葉CC野田)の国内メジャー大会でしたが残念ながら予選落ちをしてしまいました。
この時点での獲得賞金は2100万円台で42位の成績です。賞金シード選手として来年も活躍するには更なる上位を目指して頑張ってもらいたいですね。
2018年はどの試合でも黄金世代の活躍が注目されました。父娘二人三脚で追いかけてきた大里桃子プロのスケールの大きいゴルフに期待しましょう。
そしてパッティングに苦しみましたが2021年復活しました。
のびしろ十分な魅力に満ちている大里桃子がどこまでのぼりつめるかに注目です。
大里桃子を応援しましょう。エンジョイゴルフ!!楽しいゴルフライフを。

現役時代はNHKETVの外部契約として中嶋常幸プロから藤田寛之プロ、
今田竜二プロの男子ゴルフと森口祐子の「女子プロに学べ」のゴルフ
理論を番組化しました。番組終了後は、数名のライターさんと独自取材でブログ運営しています。
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