タイトリスト社の購買ターゲットはプロゴルファーをはじめ、トップクラスの実力を持つプレーヤーでした。タイトリストのクラブを使用することは上級者の証明。
という、ある種のステータスをもたらしましたが、その反面、初級、中級ゴルファーや女性ゴルファーを置き去りにしてしまいました。
おすすめメーカータイトリストアイアンの方向転換。
そこで1995年、革新的なゴルフクラブ作りをしていたコブラゴルフを買収して置き去りにしてきたユーザーの受け皿としました。
ですが、2010年に手放すと、ほぼ同じ年代から、「プロでもやさしいクラブを使いたい」という要望が出始めいつしか大きな潮流になりました。
タイトリストをはじめ、プロゴルファー向けの製品作りをしてきたメーカーは国内外を問わず苦戦しはじめ、逆にやさしいクラブ作りを続けてきたメーカーが台頭してきます。
これに危機感を覚えたタイトリスト社は、遅まきながらVG3シリーズを発売します。ですが、「タイトリストが打てない人向け」というブランディングが中途半端で低迷してしまいます。
その後に抜本的なブランドの見直しに取り組くむのです。そして「PURE TITLEIST」として、タイトリストのゴルフクラブに求められる、
「弾道の高さが揃う」「心地よい打感を持つ」「縦方向にも横方向にもブレない、番手ごとに狙った距離だけ飛んで止まる」という基本性能に磨きをかけていきます。
と、同時に長年使われてきた3桁の数字による機種別を廃止してます。今回はTシリーズとしてリブランディングします。
T100、T200、T300という、なにやらターミネーターのようなネーミングを施すのです。
おすすめメーカータイトリストアイアンTシリーズの特徴と評価。
今回タイトリストが発売したTシリーズアイアン3モデルに共通する開発コンセプトは以下の通りです。
2、左右のバラツキを抑える。
3、目標の場所にピタリと止まる。
この3点の機能を共通で備えながらも想定されるユーザー層がより求める機能を強調することで3機種に違いを持たせています。
ツアープロ使用を前提にしたT100では小ぶりなヘッドで手ごたえを感じる打感と狙った距離を確実に打ち、ピタリと止めることを目的に設計されています。
ツアーアイアンの形状を好みながらもやさしくボールを上げて飛距離も稼ぎたいというユーザ―向けに設計されたT200。
そして大きめのヘッドで楽にボールが上がり、飛距離も欲しいというユーザー向けのT300という、それぞれの特性をより強調した3モデルになります。
タイトリストアイアン T100の特徴。
打感がよくて抜けも最高のタイトリストアイアンT100です。
「SCORE WITH PRECISION」というサブタイトルが示す通り、ジョーダン・スピースの要望を全面的に取り入れたプロ、上級者向けの小顔で薄めのヘッドを持つ軟鉄鍛造アイアンです。
トウ側とヒール側に、高密度タングステンウェイトを埋め込み、また番手が大きくなるほどヘッドが小ぶりになるという、、、
番手ごとに最適な重心位置となるように設計しました。
そのことで芯の広さを得ながらもヘッドの返り過ぎ、ボールのつかまり過ぎを防いでプレーヤーにフェースコントロールを委ねています。
ソール形状も丸みを帯びた形状へと変更しており、バウンスが絶妙なのか、抜けの良さも確保しています。
したがって、中級者以上であれば難しすぎることもなく使えます。
でもまだ打点がバラつくプレーヤーでは思うようなパフォーマンスが発揮できない可能性を持ったアイアンといえます。
ロフト:7番/33度
ロフト:PW/46度
新品発売年:2019年
新品価格:12万円(5本セット)
タイトリストアイアン T200の特徴。
見た目も機能性も求める人にいいタイトリストアイアンT200です。
「ATTACK EVERY GREEN」を標榜する、飛距離と方向性を両立させたアスリートモデルの飛び系キャビティバックアイアンです。
T100よりもわずかに大きいヘッドはトップラインもやや太くなり、今作から「マックスインパクトテクノロジー」を搭載しています。
バックフェース裏側にシリコンポリマーを丸く封入して薄肉フェースのたわみをボールへの反発力に転化させることでボール初速を上げて飛距離性能の向上と、、、
トウとヒールにヘッド重量の3分の1を超えるタングステンが配されスイートエリアの広さを実現しています。
ロフト:7番/30度
ロフト:PW/43度
新品発売年:2019年
新品価格:12万円(5本セット)
タイトリストアイアン T300の特徴。
フェースの反発が高くミスに強いタイトリストアイアンT300です。
「RAISE YOUR GAME」はさしずめあなたのプレーを高める、あるいは引き上げる、といった意味合いでしょうか。
やさしく(ミスに寛容で)飛ぶ(飛ばせる)、という、ゴルフ発展途上のプレーヤー向けにフォーカスした感があるT300アイアンです。
まず驚くのがバックフェース側、マックスインパクトテクノロジーの角ばったポリマー封入部を抑えるように支えるバーにあります。
やや大きめのヘッドはグースネックでトップラインも厚く、ボールを包み込む安心感があります。
バックフェーストウ側にかなりのタングステンを配置したことが、外見からもわかるポケットキャビティ形状になります。
7番アイアンのロフトが29度で飛び系アイアンですが、クラブの長さが一般的な7番アイアンと同じですので、大き目のヘッドの効果もありやさしさを感じやすくなっています。
初心者にとっては扱いやすいクラブですので現在お使いのアイアンにプラスして単品の6番アイアンを試しても良いかもしれません。
ロフト:7番/29度
ロフト:PW/43度
新品発売年:2019年
新品価格:10万円(5本セット)
おすすめメーカータイトリストアイアンTシリーズの評価。
タイトリストアイアン T100の評価(個人的な評価)。
シリーズは一新されましたが、実質的には718 AP2の後継モデルです。
伝統的なタイト顔でありながら、芯の広さや少しやさしさも持たせるあたりにタイトリストのクラブ作りのうまさを感じます。
ですが、反面、ツアーアイアンでもやさしく打てるという「世の中の流れ」に妥協してきた気もします。
特筆すべきはスピン量の多さで、飛ばすことより狙ったポイントにピタリと止めることにこだわりを持ったことは明らかです。
前作の718 AP2と比較するとピッチングウェッジのヘッドの小ささに驚くと思います。これはボーケイとのつながりも意識しているものと思われます。
タイトリストアイアン T200の評価(個人的な評価)。
こちらもT100と同様にソールが丸みを帯び、バウンスが絶妙なので、ダウンブローに打っても払い打ってもあまり飛距離に差が出ません。
言い換えればわざわざダウンブローに打たなくてもシャローにヘッドを入れても十分にスピンが効いたボールの高さが出せるということになります。
シリコンポリマーの効果で球離れが早いものの手に残る打感は柔らかいです。
飛距離性能はもちろん、バックフェースの丸いポリマー封入部のバッジやトウヒールに大きく振り分けたキャビティ形状など機能が外部からわかるようなメカニカルな造形が特徴的なアイアンです。
タイトリストアイアン T300の評価(個人的な評価)。
T100、T200とは明らかにコンセプトが異なるアイアンという感じです。
トウ側に大胆にタングステンを配置した結果、フェースの開閉が最低限に抑えられ、ヘッドが返らないので、手で払い打つ、、、
いわゆる手打ちのゴルファーには方向性も飛距離もまとまりやすく、かなりやさしいアイアンになっていると思います。
アベレージゴルファーのスイングの特性をよく研究してきたな、という感じです。
おすすめメーカータイトリストアイアン買替え注意点。
Tシリーズ3機種を選ぶ際には、まず、T300だけは別物という考え方が良いかもしれません。タイトリストのアイアンという先入観が大きく覆る可能性があります。
操作性、打感、外観の仕上がりなど、明らかに他社の初級、中級者向けの飛び系アイアン、例えばダンロップゼクシオ11、プロギアエッグ、キャロウェイエピックスターアイアンあたりがライバルになるかと思います。
ですので、(イメージ的に難しい)タイトリストのアイアンでスコアをまとめたいというゴルファーには最適といえると思います。
中級以上のゴルファーであれば、T200、T100の方が、打感も操作性も満足できると思います。
3機種おしなべてやさしくなっているという印象が強いですので、プロ向けのT100でもシャフト選択を間違わなければ中級以上でも十分に使えると思います。
まとめ。
あのタイトリストがここまでやさしいアイアンを作ってきたか!?
という印象が強く、このことは言い換えればここまで一般ゴルファーに向けて降りてきたか、ともいえるわけです。
しかしながら、飛距離だけにこだわらず、アイアンの最大の目的である、左右、縦横のブレを抑え、しっかりと狙ったポイントで止まるボールが打てることを具体化してるのはさすがという印象です。
かなり垣根が低くなったタイトリストのアイアンです。
ですので、また、価格的にもT200、T300は他社の競合モデルと大差ありませんので、検討の価値が大きいと思います。
参考にして下さい。

現役時代はNHKETVの外部契約として中嶋常幸プロから藤田寛之プロ、
今田竜二プロの男子ゴルフと森口祐子の「女子プロに学べ」のゴルフ
理論を番組化しました。番組終了後は、数名のライターさんと独自取材でブログ運営しています。
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