アイアンの選び方です。
今回は初心者にやさしいゼクシオシリーズ第11代目のアイアン「ゼクシオ11とゼクシオX」の特徴と評価を紹介します。
2000年の初代発売以来、長く売り上げトップの座に君臨しているゼクシオシリーズの第11代目のアイアンが「ゼクシオ11(イレブン)アイアン」です。
見た目でやさしさがわかるフォルムを踏襲している今作ですが、新たにゼクシオX(エックス)をラインナップに加えています。
前作と比較した「ゼクシオ11」とこれからゼクシオを使う人のための「ゼクシオX」。
変更点や進化の度合い、新機能に関してどのような特徴があるのか?そしてその評価はどうなのか?
ゼクシオアイアン11代目のゼクシオ11とXの評価と特徴。
売上トップの座を死守してきたゼクシオですが、2000年の初代発売当時、「やさしくて飛ぶ」と主に口コミで評価が高まりました。
高額だったにもかかわらずゼクシオを購入したゴルファーの多くは当時50代でした。
それから20年が経ち、人気のけん引役だったこれらの世代も70代と高齢化が進みゴルフを止めたりするゴルファーも出てきています。
又、ゴルフを止めないまでもクラブの買い替えサイクルが延びているのも現実にあります。
ただ、一方では「まだ(やさしい)ゼクシオを使うのは早い」という考えを持つアスリート指向が強いゴルファーもまだまだ大勢存在しています。
それらシリアスゴルファーのニーズを巧みに捉えて「アスリートのイメージを持ちながらやさしく打てて飛ぶ」というイメージで台頭してきたのが「キャロウェイ」「ピン」といった外資系ブランドでした。
それらを踏まえて取り組んだ今作ゼクシオ11はゴルファーに合わせて2つに進化しています。
さらに打ちやすく飛びにもこだわる「ゼクシオイレブン」
若返った国民的アイアン。これからゼクシオを使う人のための「ゼクシオエックス」です。
それでは2つのゼクシオの特徴を紹介しましょう。
ゼクシオアイアン11(イレブン)の特徴。
ゼクシオが人気になる要因は「やさしく、真っすぐ、遠くへ飛ぶ」です。
それをさらに進化させるために、ゼクシオアイアン11では「撓み」と「安定したスイングアークによる打点の再現性」に取り組みました。
ターゲット層もより明確に60歳代と設定し、前作の後継モデルではなく「リブランド」、すなわちブランド再構築という位置づけで開発しています。
まず、今作のキーテクノロジーは「ウェイトプラステクノロジー」と「ツイングルーブ」にあります。
ゼクシオアイアン11の特徴1。
「ウェイトプラステクノロジー」とはシャフトを軽くして、グリップエンドに重りを加えることで、、、
ヘッドとグリップエンドが重たくなることにより、「カウンターバランス」になり、常に同じスイング軌道を描きやすく、
タメが作りやすくなるという効果を生みます。
従来はヘッドが最も重いので、支点は両手になっていました。ですので、いわゆる「手打ち」の状態がしばしば生まれていました。
ところが、グリップエンドを重たくしたことで、支点はグリップエンド側に上がることになり、肩でスイングしやすくなることから、スイング軌道の安定性と再現性をもたらします。
前作ゼクシオ10の「芯食い体験」というキャッチフレーズが、なぜ、これが芯食いなの? いまひとつピンとこなかったユーザーが多くいました。
今作では、スイング軌道の再現性によりある程度打点がまとまりますので、芯食いを体感できる可能性が高まっています。
ゼクシオアイアン11の特徴2。
「ツイングルーブ」とはヘッド下部のソール側の溝にさらに深い溝を設けることで、
フェースのたわみが大きくなり、当然たわみ戻りのパワーが増大してボールに高い反発力を伝えるという構造になります。
前作ゼクシオ10と比較するとはじく感触が減り、ボールに吸い付くような打感になっていますので、ライン出しがしやすいと感じるゴルファーが多くなると思います。
ゼクシオアイアン11の特徴3。
さらにスイートエリアが広くなった感じがします。
たとえ芯で当てられなくても、とにかくフェース面に当てることができれば真っすぐ、飛距離を損なわず飛んでくれます
ゼクシオアイアン11の7番の飛距離160Y。
反発力を初速に換えるフェース面。飛距離性能は高く、ヘッドスピード40m/sあれば高い弾道で160Y先のピンが狙えます。
番手 | ロフト(度) |
---|---|
6番 | 25 |
7番 | 28 |
8番 | 32 |
9番 | 37 |
PW | 42 |
ゼクシオアイアン11の評価と価格。
最新のイレブンもまさしく安心のゼクシオ顔です。オーバーサイズで丸みのあるフェースは球を包み込んでくれて、上下左右のミスヒットに強いアイアンです。
また、けっこうなグースネックとアップライトなライ角でつかまりやすさも感じさせてくれます。
打ってみると前作よりもやさしくなった印象です。
打点がぶれた時の飛距離の落ち込みが少ないゼクシオXが登場したことで、ゼクシオイレブンはよりアベレージ向けに特化させることができたと思います。
ソールが幅広で払い打ちのスインガー向き。つかまりやすいいいがフェースの戻りは緩やかなのでフックは出にくいです。
シャフトは純正がベストです。完成度が高く適度なねじれを操作ミスをカバーしてくれます。
新品価格:12万円(5本セット)
ゼクシオアイアンX(エックス)の特徴。
前作までの「ゼクシオMiyazakiModel(ミヤザキモデル)を今作では廃止しました。
50歳代の「振り切って、まっすぐ飛ばしたい」というゴルファーに向けてシャフトのみならずヘッドの構造から見直して開発したのがゼクシオX(エックス)アイアンです。
基本理念はゼクシオ11と同じ「撓み」と「安定したスイング」で、「ウェイトプラステクノロジー」と、「スピードグルーブフェース」構造を持ちます。
ゼクシオアイアンXの特徴1。
シャープな形状でつかまりすぎない。
オフセットは少なめだけど、ボールを拾いやすい形をしています。
広めのソールは仕上がりがよく、バランスが効いていて悪いライからでもスムーズに打てます。
ゼクシオアイアンXの特徴2。
ゼクシオ11アイアンがヘッド下部に溝を設けたことで、高さが出せるのに比べて、
エックスではフェース全体をたわませることで、強い中弾道を意識していることが判ります。
軟鉄鍛造のヘッドとフェースの2ピース構造で、フェース裏側外周にスリットを設けてフェース全体をたわみやすくしています。
また、バックフェースに複合バッジを貼りつけることで打感にもこだわっています。
ゼクシオ10MiyazakiModelではシャフトの特性を替えることで弾道の違いを出していましたが、エックスではヘッドの構造そのものを変えることで実現しています。
ゼクシオアイアンXの特徴3。
高弾道で適度な操作性、ボールが楽に上がって飛ぶ。ゼクシオのコンセプトをしっかり継承しています。
使う層がさらにひろがりました。長くゴルフをやっているゴルファーも新調したくなるアイアンです。
ゼクシオアイアンX-7番アイアンの飛距離155Y。
トップラインはそれほど厚くなく、スッと構えやすい。
ほどよいストロングロフトで、飛びも期待できる、新しいタイプのゼクシオです。
番手 | ロフト(度) |
---|---|
6番 | 26 |
7番 | 29 |
8番 | 33 |
9番 | 38 |
PW | 43 |
ゼクシオアイアンのNEWモデルは2019年12月7日に発売されました。
両モデルともメーカー希望小売価格は、カーボンシャフト1本24,000円+税、スチールシャフト1本19,000円+税です。
ゼクシオアイアンX(エックス)の評価と価格。
新しいネームゼクシオアイアンXが与えられているが、素材、形状、重さなどゼクシオフォージドとの類似点が多く、実質的には後継モデルと言えるでしょう。
ヘッドはゼクシオ11よりもコンパクトでトップブレードが直線的かつグースの度合いも少なめでスクエアなイメージが出せます。
フェースを返しやすく自分で球をつかまえられる中~上級者向きです。
新品価格:9万5000円(5本セット)
ゼクシオ10(テン)からの買い替え派ゴルファーの注意点。
ゼクシオ10ユーザーは、構えた感じが違和感がなく、すんなり構えられると思います。
ただ、ゼクシオ11アイアンは、ヘッドスピードによってがらりと打感が変わるという一面を持ちます。
ゼクシオ11のターゲット層である、ヘッドスピード40m/S前後で打つと柔らかい打感ですが、、、
43m/s以上で打つと硬く感じられる打感になります。
逆にエックスはヘッドスピードが上がった方が打感が柔らかく感じられます。
打感は好みの部分ではありますが、今回はヘッドスピードで明確にターゲットを分けた感じがします。
他メーカーからの買い替え派の注意点。
簡単に打てて、飛距離も欲しいというユーザーには注目のアイアンだと思います。
ゼクシオ11は大きめのヘッドで安心感があり、ストロングロフトで飛距離も稼げそうです。
ただし、オフセット(グース度合い)が大きめですので、アスリート仕様の、グースが少なめのアイアンを使用していた人にはフェースの向きを決めづらいという問題が起きるかもしれません。
また、総重量が、ともに7番アイアンでゼクシオ11のカーボンシャフトで366g、スチールシャフトで402g、
エックスであってもカーボンシャフトで378g、スチールシャフトでも413gしかありませんので、
最初はタイミングや軽さに違和感を感じるかもしれません。
まとめ。
誰が打ってもそこそこ飛距離が出て方向性もまあまあという、今作もゼクシオらしい、幅広いゴルファーが使えるというすそ野の広さを感じさせるアイアンです。
一方で、X(エックス)という新たなネーミングを与えられたアイアンですが、こちらはスリクソンからの買い替えユーザーが多くなるという皮肉な現象が起こるかもしれません。
スリクソンで、飛距離に満足できなかったアスリート系ゴルファーが、見た目カッコよくてスリクソンよりも飛んでやさしいと感じる可能性が大きいです。
あと、ウェイトプラステクノロジーは、グリップ内部にギミックがあり、専用グリップとなります。
交換も当面はメーカー対応となりますので、従来のような速やかな交換を希望する人や、自分が使うグリップが決まっている人には手が出しづらいかもしれません。
それでも「芯食い体験」という、漠然としたアピールしかできなかった前作に比べると、飛んでやさしい理由を明確にしてきた今作は、やさしく飛ばしたいゴルファーへの訴求力はかなり高いものになっています。
価格的にもゼクシオ11が5本セットで120,000円(税別)、エックスが5本セットで120,000円(税別)と、他メーカー並みの価格ですので、比較検討しやすくなっています。
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