松田鈴英選手は豪快なゴルフで飛ばすスイングで有名ですが、まだ優勝はしていません。不思議です。20-21年は必ず優勝するでしょう。
松田鈴英選手の魅力は何といっても飛距離です。それに「正確性」がアップするスイングが完成したら・・・そうです。常勝できる選手の一人になりますよね。
その「正確性」のスイングを追記しました。
さて、2017年のプロテストを振り返れば、合格者の中には勝みなみや新垣比菜などアマ時代から注目されていた選手が多くいました。
そんな実力者が多いプロテストで見事トップ合格したのが松田鈴英です。
プロ入り後は着実に成績を残して、翌年は優勝こそ逃していますが賞金ランキング11位の成績を残しました。
黄金世代1級先輩の松田鈴英(まつだ れい)選手です。
そして2019年。賞金ランキングは32位と少し下がりましたが、2020年もシード選手として優勝を狙っています。
松田鈴英選手は飛びに加えて正確性を高めるスイングを身につけました。その要因は何なのか?飛ばすスイングに追記しました。
松田鈴英の飛ばすスイング2020。
とにかく松田鈴英選手は飛びます。飛距離を稼ぐにはパワーをため込んだしっかり捻転したトップを作ることが不可欠ですよね。
飛ばすスイングは腕力を使わず肩のタテ回転で手元をあげ、「高いトップをつくること」が飛ばしのコツだといいます。
腕を上げるのではなく肩をタテに回す意識ですね。これで飛ばすためのスイングが出来上がります。
バックスイングは手先を使わない。
では、ショットの正確性はどうすれば良いのでしょうか?先ずは、バックスイングですが、手先を使ってクラブを上げないことです。
腕の力に頼らず、体をしっかり回すことでスイングが安定し、ショットの正確性がアップします。
肩をタテに回してバックスイングして下さい。
左肩が地面を指すようにしっかりと胸や肩を回すことで、腕の力に頼らなくても、自然に手元が高いトップをつくることができます。
2019年ドライビングディスタンスは253.41Yで3位の成績でした。
ただ、フェアウェイキープ率は62.3249%で72位の成績ですのでもう少し高めたいですよね。
「正確性」をアップするスイングでFWキープ率が改善されれば必ず優勝を掴むことができます。
飛ばすスイングは高いトップを作る。ショットの正確性はしっかりと体を回す。
高いトップと捻転。この二つがポイントですよね。
バックスイングでは前傾姿勢をキープ。
バックスイングでは前傾姿勢をキープすることで、しっかりパワーが蓄積されます。
腕の力に頼ってバックスイングをすると、上体を十分にねじることができなくなりますし、前傾姿勢が崩れやすくなってしまいます。
パワーをため込んだ飛ばせるトップをつくるバックスイングのコツは、左ワキ腹を伸ばし、この動きに肩の回転を加えることです。
前傾姿勢をキープしたまま左肩が下がり、右肩が高い位置に上がっていくはずです。このとき、右肩甲骨を左に寄せる動きを入れると、トップが深くなります。
腕の力でクラブを振り上げていた人は、こんな低いトップでいいの?と思うかもしれませんが、十分なのです。
腕は使わずに体をねじることが重要なのです。
ちなみに松田鈴英選手のトップ位置はかなり高いのですが、これは肩甲骨の柔軟性があるからです。
腕を使ってクラブを上げているのではないのです。
松田鈴英のスイング2019。
松田鈴英選手のスイングで特徴的なのは、167センチの長身と、腕の長さを活かしたトップの位置の高さです。
出典:https://news.golfdigest.co.jp/photo/detail/?search=%E6%9D%BE%E7%94%B0%E9%88%B4%E8%8B%B1&imageId=201315
アドレスは自然体でスッと立ちます。そしてルーチンで右手指先でフェース面をボールにアジャストさせます。
右の股関節にしっかり乗りながら、アーリーコックで上体を斜め上に絞り上げるようにバックスイングを上げていきます。
アーリーコックの長所は、行うショットによってコッキングのタイミングが変わることがありません。
ですので、ドライバーショットからアプローチショットまで、振り幅の調整をすることに集中できます。
一方でアーリーコックの短所としては、トップが小さくなりやすく飛距離が伸びないことがあります。
ですが、松田鈴英選手は長身と腕の長さで斜め上にトップが来ますので、落差を活かすことができ、アーリーコックによる短所を感じさせません。
スイングの始動とともに、右の股関節にしっかりと体重が乗り、トップオブスイングまで右ひざの角度と向きがまったく変わらないのはさすがです。
そして左に体重を移しながらクラブが下りてきます。
この時に全体重を一気に左に移すのではなく、野球のホームランバッターのように一瞬腰を止めて、同時に頭を残して右肩が突っ込まずにクラブを放り投げるような、クラブを走らせる動作が入ります。
これが飛距離を生み出すポイントだと思います。以後はクラブが行きたがるまま、フィニッシュを迎えます。
飛ばすドライバーショット。
松田鈴英の飛距離を支えるギアは契約しているブリヂストンのJ815ドライバーです。
ヒーロー戦隊もののコスチュームのような派手なデザインのヘッドは460CCで、投影面積は大き目です。
ソール側には縦にリブを入れて硬度を高め、クラウン側にパワースリットと呼ばれる溝をフェースと並行に入れてヘッド下側を硬くしています。
ヘッド上部を柔らかくすることによりクラウン部分がたわみやすく、高弾道かつ低スピン弾道という、現在の女子プロが好む球が打ちやすくなっています。
このドライバーのヘッドにはもうひとつ、フェースにはスコアラインに加えてウェッジなどに施されるレーザーミーリング(微細な溝)が施されており、これによりバックスピン量を減らす効果も期待できます。
投影面積が大きいわりには重心距離がさほど長くはないので、捕まった球も打ちやすい、セミオートマチック系のヘッドであるといえます。
松田鈴英選手のスイングはアップライトなスイングアークですので、時としてボールのやや上めからヘッドが入ることがあります。
その際にも無駄なバックスピン量を減らしたいとの意図があってこのヘッドを選んだのではないかと思われます。
シャフトは発売前から女子プロに人気の「スピーダーエボリューション5」565のSシャフトを使用しています。
フジクラのメインブランドである「スピーダーエボリューション」は初代からしなり戻りの早さと弾き感が特徴の先・中調子でした。
ですがこのエボリューション5はそれらに加えて素直なしなり戻りとつかまりやすさがアップする設計がなされているようです。
アマチュア男子並みのスペックのシャフトを使用する松田鈴英選手は必要以上のしなりやシャフト先端が暴れることを嫌っているのだと思います。
アイアンショット。
松田鈴英選手のアイアンショットもきれいなアドレスで入ります。やはりドライバーのスイングと同じようにアップライトなトップを作ります。
他の多くの女子プロとは異なり、また現代のアイアンショットの傾向とも異なって、ダウンブローにヘッドを入れていく傾向があります。
出典:https://news.golfdigest.co.jp/photo/detail/?search=%E6%9D%BE%E7%94%B0%E9%88%B4%E8%8B%B1&imageId=206214
これは意図してダウンブローに入れるというよりも、長身で手が長いので必然的にクラブを下ろしてくるとダウンブローの動きになるということでしょう。
使用しているアイアンはブリヂストンツアーBX‐CBアイアンです。
出典:https://lesson.golfdigest.co.jp/gear/catalogue/iron/gca000006526501.html
軟鉄鍛造キャビティアイアンです。
小顔でネック回りもすっきりした、プロ・上級者が好むヘッド形状ながら、ソールはやや幅広でバウンス角が前作よりも増しているので抜けがよく、中級者でも十分使えるアイアンです。
軟鉄無垢のヘッドで飛びのギミックは搭載していませんので、飛び系アイアンではなく、しっかりと距離のコントロールがしやすいアイアンです。
このアイアンをダインブロー気味にスピンを効かせて打てることが松田選手のパーオン率を4位にまで引き上げている要因だと思います。
松田鈴英選手も飛距離よりも方向性と抜けの良さを気に入って使っているのではないかと思います。
シャフトはN.S.PRO 850GH スチールシャフトを使用しています。
スチールシャフトを選んでいることからも、しなりで飛ばすことは考えずダウンブローでしっかり振りぬくことを目的に選んでいるものと思われます。
2019年のパーオン率は74.4553%の6位でした。この数値はキープしたいですね。
ウエッジショット。
一方で、パーオン率は6位でありながら、リカバリー率は56.29%で76位でした。2018年は36試合で57.84%の68位でした。
本人も公言しているように、松田鈴英選手はアプローチを苦手にしております。
その原因は「ア―リーリリースの悪い癖があり、打点がバラついたり、スピン量が安定しない」ことにあると分析しています。
出典:https://news.golfdigest.co.jp/photo/detail/?search=%E6%9D%BE%E7%94%B0%E9%88%B4%E8%8B%B1&imageId=199629
ですので、2018年から苦手の克服に取り組んでいます。
ウェッジショット、とくにアプローチショットは「上げて、スピンで止める、ピンに寄せる」ことが好きなのではないかと思われます。
使用するウェッジは「ツアーB XW-B」という強烈なスピン性能を持ったウェッジです。
出典:https://www.alba.co.jp/gear/news/article/no=78846
XW-BのBはBUKO(ブコウ)の略で、フェース全面に精密ミルド加工によって大根おろしが作れそうなほど鋭利な角形状を下向きに施したことで、、、
ボールにしっかりと噛みついてスピン力が強くなっています。松田選手の上げて止める、ピンに寄せるイメージに最も合うウェッジだと思います。
アプローチの精度を上げることが課題です。優勝できる力を持っているので2020年のオフトレーニングで集中して磨いてほしいですね。
他の女子ゴルフのスイング一覧はこちら
⇒女子ゴルフ。かわいい女子プロゴルファーの「スイング」一覧。
まとめ。
恵まれた体格を生かしてロングヒッターとなり、パーオン率も上位の松田鈴英選手です。
そして、苦手だったパッティングも父親との二人三脚で工夫の末、クローグリップに変更してからは安定したストロークができており、さらなる飛躍が見込めると思います。
ただ、時折メンタル面でプレッシャーがかかるホールやラウンドでは、、、
ドライバーも、アイアンもアップライトに上げたクラブが少しダウンしてフラットなスイングでボールにコンタクトして、右や左に飛び出すケースが見受けられます。
また、アプローチに関しても、現在はミスの原因の修正に取り組んでおり、それほどバリエーションがあるとは思えません。
しかしまだ20歳の若さでシード権を得ているのですから実力があるのは疑いもなく、時間はたっぷりありますのでこれらの苦手の克服と、練習次第でいくらでも伸びていくと思います。
現在、松田鈴英選手のコーチは1991年生まれで愛知県出身の黒宮幹仁(みきひと)氏です。
松田鈴英選手の個性を活かしながらもスイング指導をしています。
恵まれた体格を生かした飛距離のアドバンテージと正確なアイアンショットでファンを魅了し夢を与えて欲しいと思います。
さて、トッププロであればコーチの存在は大事です。それはゴルフスイングは実のところ本人では解らないことが多いのです。
ジュニア時代は父からの指導ですが、プロになればやはりプロのコーチが必要になります。
エンジョイゴルフ!!楽しいゴルフライフを松田選手を応援しましょう。
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