勝みなみプロのスイングは、器械体操で鍛えられたであろう、体幹の強さです。
その体幹の強さを生かした「大きい筋肉から動かす」ことが徹底されていることが特徴として挙げられます。
スイングはとてもシンプルなスイングです。
勝みなみの“祖父譲り”のクラブ別スイング分析。
出典:https://news.golfdigest.co.jp/photo/detail/?search=%E5%8B%9D%E3%81%BF%E3%81%AA%E3%81%BF&imageId=185368
プロ入り後の2018年は長らく優勝から見放されていました。ですが、レギュラーツアー最終戦の「エリエールレディス」でプロ初優勝を飾ります。
アマ時代から大活躍の「黄金世代」のリーダー勝みなみ。
勝みなみプロの強さはどこにあるのか。クラブ別のスイングを紹介します。
バックスイングは、体幹をねじって深く上げているのが特徴です。
ダウンスイングではガニ股になりますが、これは骨盤を左にウエートシフトして、この形から一気にターンするための準備です。
体全体が左にいくわけでなく、骨盤がシフトするだけなので、軸はセンターになります。背骨(脊柱)を中心に回転しています。
手先で上げて手打ちになりやすいアマチュアの方はこのように体全体で上げて下さい。
グリップエンドをおなかにつけたまま上げる感覚です。
自宅でできる練習法
2020-21年は先行き不透明な女子ゴルフ界です。勝みなみプロ自身もyoutubeに自宅でできる練習法を紹介しています。
その中でもタオルをゴムで結んで行う「タオル素振り」が話題です。是非、勝みなみプロのチャンネルを検索してチェックしてみて下さい。
このタオルスイングは昔から多くのプロが実践しているオーソドックスな練習法です。そして、その原理をヒントに開発した練習器具も数多くあります。
代表的なのが藤田寛之プロと共同開発した素振り 練習用品 トルネードスティックです。是非日常的に取り入れてみてはどうでしょうか。
ドライバーショット。
ティアップから素振りを1回、静かにセットアップに入ります。
まず左肩から始動し、ノーコックで上体をねじり上げていきます。その間、腕や手首は全く動きません。
もうひとつ、その間右ひざが全く動きません。
肩は90度以上回っているにもかかわらず、まるで右膝だけ別のパーツのように微動だにしません。
パワーがほとんど逃げない、上半身と下半身の捻転差がそのままボールに伝わるスイングです。
テンフィンガーグリップ。
勝みなみプロの特徴はそれだけではなく、「テンフィンガーグリップ」にあります。
インターロッキングでもなく、オーバーラッピングでもない、10本の指でクラブを握るテンフィンガーグリップとは、、、
勝みなみプロの場合には左手の親指をシャフトの上に乗せます。その親指を右手の薬指と小指で包み込むようにグリップごと握ります。
これは右手を強く使えることが効用として挙げられます。
アームローテーション。
すなわち、ダウンスイングからフォロースルーにかけて右腕が左腕を追い越すアームローテーションが行いやすくなります。
現代のゴルフクラブ、特にドライバーに起こりがちな振り遅れによるプッシュアウト、スライスが防げます。
身体とグリップで振り遅れを防ぎ、パワーをもれなくボールに伝える、現代のゴルフクラブに適したスイングであるといえます。
さてあなたのグリップは「何グリップ」ですか?グリップは体と道具であるクラブの接点でゴルフ上達には大事な要素ですよね。
あなたのスイングに合っているグリップなのか?スイング診断を受ける時にコーチに是非聞いて下さい。
ドライバーはスリクソン。
勝みなみプロのゴルフクラブ契約はダンロップゴルフです。
ドライバーは可変式シャフトの、スリクソンZ785ドライバーロフトは10.5度にして使用しています。
ヘッド体積は460CCで、トウ側が少し低くなり、ライ角がフラットに感じられます。
ですので、つかまりすぎないイメージが湧くヘッドです。左へのミスを嫌がるゴルファーに最適なヘッドだと思います。
特に勝みなみプロは自らアームローテーションを積極的に使うスイングです。よって、心理面でもこのヘッドが合っていると思います。
ドライバーのシャフトはディアマナDF。
シャフトは「ディアマナDF」を使用しています。このシャフトの最大の特徴は先端部の剛性が現行ディアマナの中でも最も高いことです。
叩いても先端が暴れない、再現性が高い挙動をすることです。
このヘッドとシャフトの組み合わせはおそらく勝みなみプロの中ではイメージと実際の球筋とが合致しているものと思われます。
クラブは年度によって替わります。
最新のセッティングは⇒勝みなみ”感覚重視”のクラブセッティング2022。
アイアンショット。
勝みなみプロのアイアンショットはカウンターバランスに優れたスイングです。
振り子運動のアイアンショット。
アドレスからドライバーショットと同様に左肩からスイングをスタートさせ、トップにかけて右ひざが全く動きません。
腰の切り返しからダウンに入ると頭の位置が全く動きません。
結果的にアイアンのヘッドと逆方向に動く形になり、あたかも胸を中心とした「振り子運動」のようなイメージでヘッドが走っていきます。
小柄な選手が飛距離を伸ばすためのお手本のようなスイングです。
アイアンはスリクソンZ-FORGED。
少なめのグース、リーディングエッジとトップラインを直線的にして、トップラインにやや強めの傾斜をつけたことで構えた時にフェース部分が三角形になり、、
ターゲットに合わせやすいイメージが持てるマッスルバックスリクソンZ-フォージドアイアンです。
バックフェイス側のマッスル部はややトウ側に厚くしてあります。
よって、つかまりすぎず、ボールコントロールがしやすい、プロ・上級者が好むヘッドです。
ソールはスリクソンアイアンに多く用いられている「VTソール」を採用しています。
芝との接点を最小限にし、抜けの良さと安定性を実現しています。
勝みなみプロは2019年からスリクソン Z-FORGEDアイアンを使用しています。
カウンターバランスがしっかりできている勝みなみのようなスイングのゴルファーは抜けの良いアイアンを使いたいはずですし、、、
このZ-FOGEDアイアンを使うというのも必然のよいうに思われます。
アプローチの特徴。
勝みなみプロのアプローチショットの特徴は「力感がない」ことに尽きると思います。
自然な構えから肩と手で作った三角形を崩しません。クラブを吊っているように持って、クラブの慣性に任せたスイングをしています。
手先に無駄な動きをさせない、右肩の高さをキープして振っていく、あとはクラブの性能に任せて打っている、といったアプローチショットになっています。
ウエッジはクリーブランドRTX-F。
勝みなみプロが選んだウェッジはクリーブランドRTX-Fフォージドウェッジです。
やや大きめのヘッド、フェース面には2種類のフェースミーリングに、さらにレーザーミーリング、深いツアージップグルーブを施して安定したスピン性能をもたらしています。
重心位置の再配分によりフェースセンターと重心位置をリンクさせたことによるショットの安定性も、、、
バックフェース側のトップブレードを肉厚にした逆テーパー構造によりフェース面を縦に使っても打ち負けないという、、、
これらの性能はいわばセミオートマチック系ともいうべき、「普通に振って結果が出る」ウェッジです。
ですので、勝みなみ選手のアプローチショットにはこれは最適なウェッジですね。
その他の黄金世代のスイング一覧はこちら
⇒「女子ゴルフ」黄金世代の女子プロゴルファー“スイング”一覧。
まとめ。
祖父の手ほどきを受けたとはいえほぼ独学でここまでのスイングを作れるのは勝みなみプロの類まれな感性と努力の結晶と思います。
出典:https://news.golfdigest.co.jp/photo/detail/?search=%E5%8B%9D%E3%81%BF%E3%81%AA%E3%81%BF&imageId=186003
同期でプロ入りしたメンバーの中でもアマチュア時代の実績と知名度は抜群です。
勝みなみプロが「黄金世代」という呼び名とその基礎を築いたといっても過言ではありません。
TPDの単年契約によるプロ入り資格を拒否したその理由が「アマチュアでトーナメント2勝した人は過去にいない、だから私がする」というものでした。
残念ながら2勝目は出来ず、プロ入り後の初優勝までに費やした4年間は母親との二人三脚で歩み、大変な思いをしてきたようです。
ですが、鍛えられたメンタルの強さは並大抵のものではなく、今後のゴルファー人生に大きく寄与するはずです。
「見る人を楽しませて自分も楽しんでゴルフをする」というのがモットーの勝みなみプロの活躍に期待したいと思います。
勝みなみプロを応援しましょう。エンジョイゴルフ!!楽しいゴルフライフを。
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